共通の話題が見つからない初対面でも会話が続く!内向型さん向け「広げる会話術」
共通の話題が見つからない時、会話を自然に続けるためのヒント
新しいコミュニティや少人数の集まりで、初対面の方やまだあまり話したことのない方と接する機会は少なくありません。しかし、共通の話題が見つからず、会話が途切れてしまうことに苦手意識をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、積極的に話すのが得意ではないと感じる方にとっては、こうした状況は心理的な負担となることもあります。
この悩みを解決し、心を開く関係を築くためには、特別な話術は必要ありません。相手の言葉をきっかけに、会話を自然に「広げる」技術を身につけることが大切です。今回は、内向型の方でも無理なく実践できる、会話を広げるための具体的なアプローチをご紹介します。
会話が途切れてしまう主な理由
なぜ、共通の話題が見つからないと会話が途切れてしまいがちなのでしょうか。その背景には、いくつかの要因が考えられます。
- 質問が一方的で、深掘りできない: 「はい」「いいえ」で答えられるクローズドな質問ばかりになりがちで、そこから会話が展開しにくい場合があります。
- 相手の言葉から連想がしにくい: 相手の発言を「情報」として受け止めるだけで、そこから別の話題を思いつきにくいことがあります。
- 沈黙を恐れてしまう: 会話の途切れが気になり、焦ってしまって言葉が出てこなくなることもあります。
これらの状況を乗り越えるためには、相手の言葉に意識を向け、そこから会話を「掘り下げ」「横に広げ」「共感する」という意識を持つことが有効です。
「広げる会話術」で会話を途切れさせない三つの視点
会話を自然に広げるためには、以下の三つの視点を持つことが重要です。
- 掘り下げる: 相手の発言に対して、さらに詳しく尋ねることで、情報の深掘りをする視点です。
- 横に広げる: 相手の発言から連想される別の話題や、関連する事柄に話を進める視点です。
- 共感する: 相手の感情や状況に寄り添い、理解を示すことで、心理的な距離を縮める視点です。
この三つの視点を意識しながら、具体的な会話のステップを見ていきましょう。
実践!会話を広げるための具体的なステップ
ここでは、実際のシチュエーションを想定した会話例を交えながら、会話を広げるためのステップをご紹介します。
ステップ1:相手の情報を「掘り下げる」質問のコツ
会話の入り口が見つかったら、まずは相手が話してくれた内容をさらに掘り下げてみましょう。
- 「いつから」「なぜ」「どのように」を意識した質問: 相手の発言に対し、「それはいつから始められたのですか」「どのようなきっかけがあったのですか」「具体的にはどのような点が大変でしたか」など、もう少し詳しく知りたいという姿勢を示す質問をします。
会話例: * 相手「最近、〇〇のサークル活動を始めました。」 * あなた「〇〇の活動をされているのですね。どのようなきっかけで始められたのですか。」 * 相手「子供が手を離れて、何か新しいことを始めてみようと思いまして。」 * あなた「なるほど、そうなのですね。実際に始められてみて、どんな点が楽しいと感じますか。」
「どんな点が楽しいと感じますか」というように、相手の感情や体験に焦点を当てる質問は、より深い話に繋がりやすくなります。
ステップ2:関連する話題へ「横に広げる」視点
掘り下げた情報から、関連する別の話題へと会話を移すことで、会話の幅を広げます。
- キーワードから連想する: 相手の言葉の中に、自分が知っていることや興味のあるキーワードがあれば、そこから話を広げてみます。
- 共通点を探す質問: 相手の発言から、自分との共通点がないかを探し、「私も〇〇です」と自分の情報を少し開示しながら、相手にも関連する経験があるかを尋ねてみます。
会話例: * 相手「最近、週末は公園に出かけることが多いです。」 * あなた「公園は良いですね。お子さんとご一緒ですか。ちなみに、〇〇地域にお住まいですか。」(居住地域を尋ねることで、近隣の情報に広げる) * 相手「はい、〇〇地域です。そちらも公園が多いですよね。」 * あなた「そうですね。私も〇〇という公園によく行きます。〇〇様はお子さんの習い事など、何かされていますか。」(公園から子供、習い事へと話題を広げる)
このように、一つの話題から別の話題へと自然に繋げていくことで、会話の選択肢が増え、途切れにくくなります。
ステップ3:相手の感情に「寄り添い共感」する聞き方
相手が話している最中や話終わった後に、相づちや短い言葉で共感を示すことは、相手が心を開きやすくなるために非常に重要です。
- 「そうなんですね」「なるほど」「分かります」などの相づち: 相手の話をきちんと聞いていることを示す基本的な相づちです。
- オウム返しや要約: 相手が言った言葉の一部を繰り返したり、内容を短く要約したりすることで、「あなたの話を理解しています」というメッセージを伝えます。
- 表情や頷き: 言葉だけでなく、穏やかな表情や頷きも、相手への共感を示す大切な要素です。
会話例: * 相手「最近、子どもの学校行事が続いていて、少し疲れ気味なんです。」 * あなた「そうなのですね。それはお疲れ様です。」(相づちと共感) * 相手「はい、特に準備が大変で…。」 * あなた「準備がお大変だったのですね。」(オウム返し)「それは大変なご苦労があったことと存じます。」(共感)
共感を示すことで、相手は「この人は自分の話を聞いてくれる」と感じ、安心してさらに話してくれるようになります。
ステップ4:自分の情報を「小出しにする」ことで橋渡し
相手にばかり話させるのではなく、自分の情報も適切に開示することで、会話はより双方向的になります。
- 相手の質問への返答に少し加える: 相手から何か尋ねられた際、質問に答えるだけでなく、関連する自分の経験や考えを少しだけ付け加えてみましょう。
- 共通点を見つけたらすぐに伝える: 相手との共通点が見つかったら、「私もです」と伝え、そこから自分の話に少し触れてみても良いでしょう。
会話例: * 相手「〇〇様はお子さんの学校はどちらですか。」 * あなた「うちの子は〇〇小学校に通っております。最近、PTAの活動で〇〇という行事があったのですが、そちらの学校ではいかがでしたか。」
自分の情報を適切に開示することで、相手もあなたに対して安心して情報を提供しやすくなり、会話のキャッチボールがスムーズになります。
会話を楽しむためのヒント
ご紹介した「広げる会話術」は、すぐに完璧にこなせる必要はありません。小さな実践を重ねることで、少しずつ自信がつき、会話が楽になっていくはずです。
- 完璧を目指さない: 会話は完璧である必要はありません。途切れても、また別の話題を探せば良いと気楽に考えましょう。
- 相手の表情を観察する: 相手が楽しそうに話しているか、興味を持って聞いているかを観察することで、会話の方向性を調整できます。
- 沈黙を恐れない: 短い沈黙は、次の話題を考える時間や、相手が何かを話そうとしているサインであることもあります。無理に間を埋めようとせず、自然に受け入れてみましょう。
まとめ
共通の話題が見つからない状況でも会話を続けるための「広げる会話術」は、特別な才能ではなく、誰でも実践できる具体的なスキルです。相手の話を「掘り下げ」、関連する話題に「横に広げ」、そして心から「共感する」ことで、内向的な方でも無理なく、自然に人間関係を深めることができます。
この記事でご紹介したステップを参考に、小規模な集まりや1対1の状況で、一歩踏み込んだ会話を楽しんでみてはいかがでしょうか。会話の扉を開くことで、新しい素敵な出会いや関係が生まれるかもしれません。